ドイツ在住のノンフィクション作家 クライン孝子様は、度々と言う表現以上に事あるごとに来日され、チャンネル桜に出演されたり、要人と逢われたり、寸暇を惜しんで日本のために活動されている憂国の士という存在です。
それもはるか離れたドイツの地からです。
この自民議連のプランも断固反対するしかありません。
今や、自民党又は自民議連関係の動きや政策提案で賛成できるものは、ほとんどないといって過言ではありません。
移民に関しての先生のご見解をご紹介します。
もはや自民党打倒を叫びたくなります。右から左までの混成部隊の民主党には期待するほうが無理ですね。
一日も早い真正保守党の立ち上げを望んでいます。
◆【正論】自民議連の移民誘致プラン反対 (産経 2008/6/24)
ノンフィクション作家(ドイツ在住) クライン孝子
≪■「日本」の溶解の懸念≫
中川秀直元幹事長はじめ自民党議員有志が、将来の日本が移民と共生する
「日本型移民国家」を目指して「外国人材交流推進議員連盟」を立ち上げた
のは昨年末のこと。今回そのグランドデザインがまとまり、政策提言として
福田首相に提出されたという。
それによると、外国人の定住推進策として「移民基本法」を立案し、「移
民庁」を設置する。その上で、不当な低賃金労働にメスをいれるなど外国人
の受け入れ態勢を整備し、外国人研修・技能実習制度の抜本的な見直しを図
るという。さらに一歩踏み込んで、地方自治体における外国人住民基本台帳
制度の導入や在日外国人に対する行政サービスの充実、外国人の法的地位の
安定を図る大幅な永住許可要件の緩和を図るなど、今後50年間で日本の総
人口の10%(約1000万人)の移民を誘致する数値目標を掲げ、「多民
族共生国家」への道筋をつけるという。
理由は、一つは少子化による人口減少に歯止めを掛けること、二つは人材
確保体制の強化にあるという。
だが待てよ。この壮大なプランだが、一見聞こえはいいものの、習慣も文
化も言葉も異なる他民族の国内誘致だけに、一体、筋書き通りにスムーズに
ことは運ぶのだろうか。一歩間違えば、なし崩しに日本古来の伝統文化や習
俗・習慣の破壊に繋(つな)がり、最終的には「日本溶解」の危機にさらさ
れかねない。
それだけではない。第二次世界大戦後の日本は曲がりなりにも、民主主義
国家として発展を続け、他国にあるような対立型とは一味違う日本特有の融
和を基調とする「あ・うん」型国家体制並びに治安体制を築き上げてきた国
である。移民促進はその「日本」を根底から揺るがすことになりはしないだ
ろうか。
≪■ドイツは「負の遺産」に≫
私が住むドイツが移民国家としてスタートしたのはかれこれ半世紀前のこ
とである。第二次世界大戦後、荒廃した欧州の復興および救済の立て直しに
米国が進めた「マーシャルプラン」の恩恵に浴し、わずか10年足らずで見
事に「奇跡の復興」を果たした。
以後、日本と同様右肩上がりの高度経済成長にあって、労働力不足を補う
ため、1950年代にはイタリアやスペインなど南欧やユーゴスラビア、旧
東独から多くの出稼ぎ労働者を誘致し、1961年ベルリンの壁構築による
旧東独との国交断絶後は、主としてトルコから、出稼ぎという名の移民を続
々と受け入れてきた。その結果、今やドイツは米国、ロシアに次ぐ世界第3
位の移民大国である。
ちなみに2005年、ドイツの移民者総計は1000万人余り、総人口の
12〜13%を占める。しかし残念ながら、彼らの多くはひたすら独自の文
化を持ち込むのに熱心で、ドイツのアイデンティティーをかたくなに拒む。
そればかりか、2001年の9・11(米中枢同時テロ)後、テロリスト
の一味がドイツを拠点に、テロ活動の主導的役割を果たしたこともあり、
「負の遺産」を抱え込むに至った。このためドイツでは従来の寛大な無制限
移民策にブレーキをかけ、国籍取得条件を緩和(継続滞在8年)する代わり
に、来る9月1日よりドイツ語やドイツの憲法に当たる「基本法」、歴史や
政治、社会の仕組み、文化など基礎知識のテストを導入し義務付け、既に一
部の州では実施に踏み切り始めた。
≪■治安・安全保障の問題に≫
それなのに、何と日本は、こうしたドイツなど移民大国が抱える諸問題に
は目をつむり、時代に逆行するかのように遮二無二「移民立国」構築に邁進
(まいしん)すると言う。
彼らはそのリスクがいかに大なるものか、考えたことがあるのだろうか、
とさえ思えてくる。何よりも、移民推進で避けて通れないのは、国家の根幹
にかかわる治安および安全保障にあり、場合によっては反国家的活動が懸念
されることも考えざるを得ない。
ドイツと異なり、諜報(ちょうほう)・防諜(ぼうちょう)機関はむろん
「スパイ防止法」さえ整備されていない日本にいきなり「移民立国」では、
まるで目隠しをして綱渡りをするような危険を伴う。
私など、もしかするとこの「移民立国」とは、ここ数年浮いては消え、消
えては浮かびあがる「外国人地方参政権付与」法案と妙に連動していて、こ
の法案への世間の風当たりを避ける肩代わり案として、急遽(きゅうきょ)
提案されたのではないか、と勘操ってしまう。
ちなみに私は今年でドイツ在住40年になるが、「日本国籍」ゆえにドイ
ツにおける選挙権の行使を許されていない。それでこそ国家体制の固持であ
り、「国家存続」の根性というものである。
早まって後悔しても後の祭りである。即刻白紙に戻し、今一度慎重に検討
してもらいたい。