「個人通報制度は、私たちの未来を救うのか」 アムネスティ5月号に思う つい先日、女子差別撤廃条約の選択議定書を批准しようとする自民党「女性に関する特別委員会」の動きを取り敢えず阻止した。
この阻止したという動きを一過性にしないために、腰をすえた議定書批准反対の行動を展開しようとしなければならないという時期に、「アムネスティ・インターナショナル日本」が機関誌5月号を送付してきた。この中に「私たちの未来を救う個人通報制度」という記事が3頁にわたって記載されている。この冒頭に「あきらめるのはまだ早い!!」と訴えている。
彼らは必死なのだ。我々以上に必死なのだ。欺瞞の宣伝文言を散らばめて。
この記事で気に入らない部分を列記してみる。
架空の事例
冒頭導入部分に、架空の事例を紹介している。左翼思想に純心無垢な青年が簡単に思い込むような記述方法で。
殺人容疑の冤罪で逮捕されて、選任弁護士が裁判所から却下され、法廷では弁護士側の重要証人が採用されず、ついに死刑判決が確定した。
弁護士は、国連の自由権規約委員会に通報。通報を受理した自由権委員会は審査を開始した。というものです。
実際にもありえない例まで出してこれからの論理を誘導しようとしている記述方法は、法廷での誘導尋問そっくりでもある。
国家の制度と対決する個人を援助する国際的な制度といえます。
自ら受けた人権侵害を訴え侵害した国の責任を問い、条約機関に個人の救済を求めるものと説明しています。
即ち個人が国家を訴えるのです。今まで考えられたことがないことです。
個人と共同体との関係では、全ての個人の要求は満たされることはありません。共同体を構成する個人の最大公約数に個人が従うことが求められます。しかしこの制度は個人の要求を最重要されます。共同体、国家を破壊に導く導入となるものです。
拘束力はないというが実質的な拘束力が。
残念ながら日本には「国連信仰」とでも言うべき風潮があります。
GHQの占領以後、国連という名の怪物が日本を席捲しています。
主権回復して以後次なる課題は、国連加盟でした。この過程で「国連信仰」が生み育てられました。今でも全て課題が、国連との関係で語られると自治体までも無条件に取り入れてしまうことになっています。今や国連の名の下に各種人権条約が批准する事態となり、更に司法までもが左翼人権条約に犯されてしまう結果となっています。
一例を挙げれば、女子差別撤廃委員会は、日本政府に下記のような最終コメ
ント(勧告)を行なっている。
371.委員会は、民法が、婚姻最低年齢、離婚後の女性の再婚禁止期間、夫婦の氏の
選択などに関する、差別的な規定を依然として含んでいることに懸念を表明する。委
員会は、また、戸籍、相続権に関する法や行政措置における嫡出でない子に対する差
別及びその結果としての女性への重大な影響に懸念を有する。
このような、実例があるのです。
各種条約の委員会が日本国に勧告をして、報告を求めてきていますが、今では何時施行するのかとその実現を求める報告を求めています。現に嫡子と被嫡子への財産分与の違いは差別と民法の改正を求めてきています。このように決して拘束力がないということで安心できないのです。
個人通報制度の実例は国情の違う他国のもの
ここでも紹介されているオーストラリアの実例は、「非正規滞在の退去強制」は「私生活への不干渉」「子どもの権利」違反と判断していると紹介している。アムネスティは国家破壊を目指していると断言して良いのでは。不法入国・不法滞在を「非正規滞在」と呼称して犯罪性をカムフラージュする言辞を使用している。そして「私生活への不干渉」に違反していると、国家主権に干渉してきている。これを認めることは、国家主権の放棄でもある。
「不法滞在者の強制退去」は当然のことである。国家として当然のことも認められない個人通報制度である。
日本政府が「条約機関が出す見解が裁判官の自由な審理や判断などに影響を及ぼす可能性がある」と主張しているが、国際的に根拠のない主張とアムネスティは言う。
日本の法体系に基づいた日本政府の主張に、国際的に根拠があるとかないとかは全くの無関係である。
それとも、何か国際的根拠がないと主張できないのでしょうか。
アムネスティは何時からこのような論理展開、国際的に根拠があるのかどうかで国内の法体系を考え判断するのか。
これが、国際左翼の国家破壊への一里塚であるといえる。