改めて、一つひとつの事実を確認して、プロパガンダに踊らされないこと。
論争のときは一つひとつの事実の確認の蓄積が大事です。
永山先生のブログより
洗脳を解き、台湾と結び、中華覇権主義に対抗を http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-382.html より
先日、ある地域がこれから台湾観光客の誘致に乗り出すと言うことで、日台関係の在り方についての講演を行ってきた。そこでは台湾国民がいかに日本を好み、また信頼してくれているかを述べた。さらにその一方で、中国の台湾封じ込め戦略によって国際社会で孤立観を深め、また日本政府が中国への配慮で台湾の存在を無視してきたことを、いかに残念がっているかも語った。そしてその上で次のような台湾人観光客を歓迎する方法を提案をしてみた。
「私たちの町は台湾を応戦します、支持します、台湾人を心から歓迎しますなどと書かれた看板を掲げるなどで、兄弟国に対するような友情のメッセージを強烈に打ち出す。観光客は日本人の気持ちに大喜びするだろう。それですばらしい思い出にしてもらう」
お客さんが喜んでくれれば、迎える側も嬉しいものだ。だから我ながらいいアイデアだと思っている(ちなみに講演後、現地で観光事業に携わる在日台湾人にこのことを告げると、笑いながら「それはいい考えだ」と賛同してくれた)。
もっとも、ことさら台湾ばかりを応援すると、中国人観光客が怒り出すとのリスクも伴うかもしれない。そこで「それは恐れないこと。堂々としていればいいことだ」と話した。そしてその流れで、なぜ中国は台湾をいじめるのかを説明することとなった。
もちろんそこで挙げた理由は「中国の領土欲」だ。中国が台湾領有権の根拠として強調する「カイロ宣言に基づく日本の台湾返還」などは事実無根であり、台湾は中国領土などではないとして、次のように話した。
「日本はサンフランシスコ講和条約によって台湾に関する主権を放棄したが、中国にも米国にもどこにも割譲していない。台湾の将来は台湾の住民自決に委ねられることになったのだ」と。
そして「このことを日本人はたいてい知らない。なぜなら日本政府が中国への配慮でこの事実を口にしないからだ。そのため多くの日本人は中国の宣伝を鵜呑みにしている」と強調した。当初は、いきなりここまで深い話をするのはどうかとも思っていたのだが、やはりこれだけは言っておかないと、日本人はいつまでも「台湾を中国の一部だ」と誤解し、正しい台湾理解をすることができないと感じ、敢えてそうしたのだった。
最後は、「日本人が日台交流を真剣に進めて行けば、中国や中国に配慮する日本人との摩擦が出るかも知れない。しかし重要なのは、その程度のことを恐れて兄弟のように仲のよい国との友情を捨てて良いのかと言うことだ。日台交流は日本人の良識回復を促すものでもある」と述べた。
講演後、会場を出た私を追いかけてくる人がいた。公明党の議員さんだった。そして私にこう言った。
「あなたの感情論は理解できる。しかし国際法論としては正しくない。台湾はポツダム宣言によって中国の領土になったのだ」
つまり、日本は台湾返還を謳うカイロ宣言の履行を義務付けるポツダム宣言を受諾し、返還の義務を負ったのだから、台湾は返還されたのだと言うことなのだが、その理屈こそ中国の宣伝そのものなのだ。私の話が、この人には一切通じていなかったと言うことだ。
だが、いかにカイロ宣言、ポツダム宣言を持ち出したところで、日本はそれらに従って台湾を中国に返還する前に、サンフランシスコ講和条約で台湾を放棄してしまい、返還は実施されなかったと言うのが国際法上の真実なのだ。そこで「日本政府もこの真実は認めていますよ」と話したのだが、「政府の言うことはコロコロ変わる」と言って取り合わない。
自信満々なのである。真摯で誠実な感じの人だったが、中国の主張に合わせることこそが絶対に正しいと言う信念でもあるかに見えた。
実際にこのような日本人は大勢いる。そしてそのような人々が日中間の事実上の主従関係である「友好関係」を支えているのだ。中国政府は洗脳政策で国民を統治しているが、同じく洗脳政策で対外関係を築いていると言うことか。
先に日台関係を強化することで国民の良識回復を図るべきだと書いたが、それは「中国の洗脳から解放されよう」と言うことでもある。
五月二十日、台湾では馬英九=国民党政権が発足した。この新政権もまた「日本による台湾返還」「一つの中国」を正当化している。要するに「台湾は中国領土」だとの主張を持っているのだ。だがこれは驚くに値しない。そもそも「台湾は日本から返還された」と最初に宣伝したのは、この国民党だからだ。台湾人の多くもまた、この中国人勢力によって同じような洗脳を受けてきた。
だが日本は台湾を中国に返還(割譲)していない。中国の台湾併呑はチベット併呑に続く領土拡張の侵略行為だ。このことをまず全国国民に周知徹底させるべきだ。そしてその上でさらに台湾国民を応援するべきだ。「台湾は台湾人の国であり、日本とは兄弟国。アジアの平和のために連帯しよう」と。
そして日本政府、国民党政府の危険な中国従属にNOを突きつけるのだ。
登録・バックナンバー
http://www.melma.com/backnumber_174014/
発行 永山英樹(台湾研究フォーラム)