老兵の独り言

八尾市をはじめとする全国での左翼情報チェックと真正保守の陣営拡大を願っています。 国連をはじめとする人権条約を基礎とする国内法の点検と法破棄運動も行っています。

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国際派日本人の情報ファイル  より転送しています。
かなり以前に、金次郎について調べたことがありました。
伊勢先生がかなり纏めてお書きくださっていますので、皆様にご紹介させていただきます。

報徳と積小為大 ~ 金次郎の原体験
伊勢雅臣


 
 金次郎の教えの三大徳目は、

勤労(よく働く)
分度(身分相応に暮らす)
推譲(世の中のために尽くす)

であると言われている。[1,p525]

 これだけ聞くと、抽象的なお説教だが、その根底にある金次
郎の原体験まで掘り下げると、これらの徳目が実感を持って伝
わってくる。

 金次郎の思想の原点は、17歳の時の次のような体験にある。

 17歳の時田植えが終わった頃、村のあちこちに捨苗が
ころがっていた。田植えの後は余った苗が出る。捨てられ
た苗はもう誰の所有でもない。金次郎は捨て苗を拾い集め、
かつて用水堀として使われていた不用の古堀のあとを開墾
して水田を作り、捨苗を植え、除草をし、たんねんに育て
上げた。その結果、一俵(4斗1升、約60キロ)の米を
収穫できた。

 わずかだがはじめて自分の努力で一俵の米を得たことに、
金次郎は深い喜びとともに大きな悟りに似たものを感得し
たのである。年少にして両親と田畑財産を失い一家離散の
憂き目を見た自分、世間的には最も不幸な境遇にあると思
われるわが身にも、こうして天と地と人の恩恵がある。村
人が捨てた苗があり、太陽を始め天の恵みと空地や水とい
う地の恵みにより一俵の米が得られてのであった。金次郎
はこの天と地と人の恵みを天と地と人の徳とよんでいる。
すべて人間は天と地と人の徳によって生かされているとい
う深い感動を伴った得難い体験であった。[2,p20]

「徳」とは、受け手から見れば「恵み」であり、与える側から
見れば「他者のための働き」というように解釈してよいだろう。
「報徳」とは金次郎の最大の理解者であった小田原藩主・大久
保忠真の「なんじの道は以徳報徳(徳を以て徳に報いる)に近
し」という言葉から来ている。

 天・地・人・の徳(恵み)によって自分が生かされている事
に感謝し、それに報いるために徳をもってする、すなわち自分
の働きで世のため人のために尽くす、これが報徳の考え方であ
る。「推譲」とはまさに自らの働き(徳)をもって、天地人の
恵みに報いることである。

 また消費は自分の稼ぎ(すなわち世の中への貢献)の範囲内
にする。消費よりも貢献が大きくてこそ、世の中のためになっ
ている。これが「分度」である。

 また、上述の捨苗から一俵もの米がとれたことは、金次郎に
自然の道は「積小為大」であることを教えた。わずかな土地を
耕し、わずかな苗を植えることで、わずかな米がとれる。10
万石といえども、このささやかな農作業の積み重ねがなければ、
成り立たないのである。

 小さな努力の積み重ねが大いなる結果を為す、この積小為大
の考え方が「勤労」の根底にある。それは「大を為す」ための
道である。

 日本企業が人作りを重要視するのは、一人ひとりの働き(す
なわち「徳」)を引き出すためであるし、また細かな改善や現
場の創意工夫を重んじるのも「積小為大」の考え方からである。

 我が国が世界有数の豊かな経済力を持つに至ったのも、金次
郎の示した「報徳」と「積小為大」の道が今も脈々と受け継が
れているからであろう。その先人の「徳」に、子孫たる我々が
どう報いるのか、が問われている。
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