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 中国の不動産バブル崩壊が本格化し始めた。
動向を見極めたい。
日本にとっても、台湾にとってもこれ以上の重大問題はない。


◆【中国経済月報】不動産暴落、北京や上海に波及
 (産経 2008/9/12)


 中国の不動産バブル崩壊が本格化し始めた。年初来、広東省の深セン、広

州から始まった不動産価格の急落が内陸の武漢、重慶に広がり、ここへきて

北京、上海に波及した。不動産相場は過剰流動性を背景に国民年収の20~

30倍まで急騰したが、金融引き締めや景気減速の影響で全国的な急落に転

じた。バブルをあおったデベロッパーや金融機関への衝撃が拡大し、景気減

速に拍車をかけそうだ。



 不動産相場は過去5年間の2ケタ経済成長とともに急騰を続け、昨年秋に

ピークをつけた。深セン、上海、北京など沿海の一級都市では、新築マンシ

ョンの価格が1平方メートル当たり1万5000元(1元=約16円)から

高級物件では2万元以上に跳ね上がった。内陸の主要都市でも1万元以上が

当たり前になった。



 昨年の都市住民家庭の平均可処分所得は3万8600元。仮に1万元で9

0平方メートルのマンションを購入したとすると、年収の23倍強に相当す

る。国際的には年収の3~5倍が妥当な住宅価格の相場とされるが、中国で

はかけ離れた高値になった。



 このため昨秋から不動産市場は「有価無市(価格が高過ぎて買い手がつか

ない)」状態となった。上昇相場をリードした深センでは1月から下落が始

まり、すでに3割以上下落した。北京、上海では取引が前年比ほぼ半減した

ものの業者は値下げを拒み、買い手との我慢比べが続いていた。



 しかし景気減速が鮮明となった夏場に入り、買い控えはさらに強まった。

北京では上半期に前年同月比38%減(4万600戸)だった商品住宅(主

にマンション)の販売戸数が7月には63%も急減した。最大の不動産市場

である上海では同69%減と、さらに大きな落ち込み幅を記録した。



 このため7月から8月にかけて、資金繰りに苦しむデベロッパーの大幅値

下げが北京や上海とその周辺都市で急速に広がり始めた。



 北京五輪の最中に北京市の新築マンションで10~20%の値下げが始ま

り、相前後して上海を中心とする長江デルタ地域の各都市で大幅な値崩れが

起きている。上海では7月から一部地域で20%前後の下落が始まったが、

8月以降は全市に広がりだした。浦東、松江などの地区では4割前後の値下

げ(業者の投げ売り)も出ている。



 この傾向は南京、蘇州、杭州などの周辺都市にも広がり、南京では1平方

メートル1万7000元で販売していたマンションを8000元と半値以下

に値下げするケースも出現、メディアの話題になっている。



 中国の不動産業界はこの10年近く、右肩上がりの成長を続けてきた。デ

ベロッパーは地元政府から安い価格で公有地の使用権を買い取り、だぶつく

銀行資金を元手に前年比2~3割増のペースで不動産投資を進めてきた。



 しかし(1)インフレが高進し始めた昨年から政府が金融引き締めを強化

した(2)価格が高騰して庶民の手が届かなくなった(3)米住宅ローン危

機を引き金とした世界景気後退-などの影響を受けて、昨秋からバブルが陰

り始めた。



 にもかかわらずデベロッパーは過去の成功体験を忘れられず、今年もほぼ

前年並みの建設投資を続けている。土地や資材、人件費などのコストが急上

昇する一方で、銀行は貸し出しを制限した。



 加えて物件の売れ行きが急減したため深刻な資金不足に直面した。株式バ

ブルはすでに崩壊したため、新規上場や増資でまかなうこともできない。こ

のため事業の運転資金を確保するためにも、物件の大幅値下げや投げ売りを

せざるを得ない立場に追い込まれた。



 一方、高値で住宅を購入したユーザー側からは価格の値下げ要求や抗議行

動が広がっている。投資目的で数軒を借金で購入したものの、大幅な値下が

りで転売できず、返済不能となるケースも頻発しだした。



 中国版のサブプライムローン(低所得者向け高金利型住宅融資)危機が広

がる可能性も排除できない。その場合は被害がデベロッパーやユーザーから

資金を貸し出した銀行に波及して不良債権が激増、金融危機を招く恐れもあ

る。不動産業が景気に及ぼす影響は大きいだけに、政府は極めて難しい局面

を迎えた。
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