老兵の独り言

八尾市をはじめとする全国での左翼情報チェックと真正保守の陣営拡大を願っています。 国連をはじめとする人権条約を基礎とする国内法の点検と法破棄運動も行っています。

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「防衛大臣のあるべき姿」

として、松島悠佐氏が「甦れ美しい日本」に記しておられます。
皆様にご紹介いたします。
日本に防衛大人が務まる議員は居るのでしょうか。
少なくとも、自民党内には五指に満たないと断言できます。
くたばれ自民党。
真正保守党を立ち上げよ。

-----------------------------------          
昨年(08年)の防衛省は、2月に起きたイージス艦「あたご」の衝突事故、10月末に起きた田母神空幕長の更迭問題で大いに揺れました。この問題には、防衛省のみならずわが国の防衛の根幹に関わる大事な要因が含まれていたのですが、単なる海事事故処理や個人的な更迭・解任処置だけで幕引きにしてしまった感じがします。

両方に共通していることは、防衛大臣の自覚と事態対応能力の欠如にあるようです。
イージス艦の衝突事故は、「あたご」乗員の緊張感の欠落や規律の弛緩、ならびに小型漁船のやや無謀と思える操船の双方に原因があったと思われますが、目下海事審判中であり、ここでとやかく言うのは差し控えます。

ただこの事故には、国の防衛警備に従事する自衛艦の行動を、平素からいかに取り扱うべきかという問題が含まれていたのですが、石破大臣(当時)の対応はこのことには一切触れずに、自分への報告に1時間半も掛かったことは不適切と発言し、自ら防衛省への不信感を助長しただけでした。

 報告が遅かったことが問題になるのは、「早く報告を受けていれば処置できたことが、報告が遅かったために処置が出来なかった」という場合ですが、このイージス艦事故についてはそのような問題は何もありませんでした。

0407に衝突事故が発生してから1時間半後の0540には大臣に報告されています。海上自衛隊が行なった事故発生直後の処置と報告は、適切に行われていると思います。
大臣は、事故報告を受けた後、誰に何をどのように指示したのか分かりませんが、大臣の説明の端々から推測すれば、対応がすべて他人事であって、自ら処置したことは何もないような感じがします。

事故発生から1時間半後の報告が、もし1時間後だったとしたら何が出来たのでしょうか、事故直後の30分や1時間で大臣が処置することなど何もなかったと思います。当面の事故処置は現場の自衛艦や海上幕僚監部に任せて、大臣は「善処せよ」といっておけば済む話です。

むしろこの事件を機に、防衛大臣が取り組むべきことは、防衛警備に従事している自衛隊の行動規範の問題、例えば、公務に就いている自衛艦の航行の優先権、特に沿岸での小型船との航行優先権をどのように考えどのように確保するか、ひいては、災害派遣時の自衛隊緊急ヘリの航空管制権や、災害派遣車両の優先通行権など未解決な問題を、いかに実際的に解決するかを考えることが大事なことでした。

 ところが実際には、大臣への報告が遅かったとか、発見が2分前だったのか12分前だったのかといった、メディアの瑣末な問いただしに答えて情報を二転三転させ、自衛隊への信頼性を失わせるような種を自ら蒔きました。

さらに、「あたご」の航海長を防衛省に呼び寄せ、大臣以下が聞き取り調査していたにもかかわらず、聴取の事実が明るみに出ると、航海長を招集した責任を当時の海上幕僚長に押し付けて更迭し、混乱に拍車をかける要因を作ってしまいました。

さらにもっとひどいことは、石破大臣が9月半ばの自民党総裁選に自ら出馬したことです。当時は「あたご」の事故当事者が海難審判の公判中でしたが、石破氏は事故の当事者であった防衛大臣でもあり、防衛相の任が外れていたとは言え、かつての部下が公判中であれば、自らも謹慎して公判の進捗を注視すべきでしょう。防衛大臣を降りれば、もうまったく関係ないような顔をして、本命でもなければ嘱望されてもいない総裁選に出てくる等、かつては自衛隊の責任者であったことの自覚もない無責任な態度でした。

田母神空幕長の更迭問題にも、浜田防衛大臣の不適切な対応が目に付きました。
田母神氏は、「日本は侵略国家であったのか」という論文を発表して問題になりましたが、それは政府の外交方針、即ち「過去の植民地支配や侵略を謝罪する」とした村山談話の見解を逸脱しており、航空自衛隊のトップである幕僚長がそのような意見を部外に公表したことが不適切だという指摘でした。

浜田防衛大臣は、麻生総理の指示に従ったにせよ、傍目から見てもあたふたと、後任の幕僚長も決めずに罷免し、休日の夜のうちに解任するなど、前代未聞の人事措置をしました。この措置は明らかに、野党の追及をかわし、当時懸案になっていた解散総選挙に悪影響を及ぼさないように早々に幕引きを図る狙いがあったのでしょう。

しかし、田母神論文問題の本質は、自衛隊にとって村山談話の歴史認識と田母神歴史観のどちらを正しいとするのかを、考え直すことにあったのではないかと思います。
大東亜戦争も日米戦争も複雑な要因が重なって起きたものであり、村山談話のように、日本が判断を誤り侵略したのがすべての原因とすることには異論があります。少なくとも日本がすべて悪いとする認識をもって周辺諸国に謝罪して歩く姿勢は正しいこととは思えませんし、愛国心を損なう結果を生じています。

自衛隊の使命は国の平和と独立を守ることであり、常に国家を基準に物を考え、使命を自覚し、強い愛国心を養うことを柱とした精神教育を行なっています。それは、自衛隊創設以来ずっと継続してきたことです。

愛国心育成のためには自らの国に誇りを持つことが大事であり、教育に際してそれを強調するのは当然です。自衛隊では村山談話の歴史認識にはあまりとらわれずに、愛国心の育成・高揚に努力しています。
さは然りながら、政府は村山談話を引きずっているのは事実であり、この機会にそのことを自衛隊の教育の中でどのように折り合いをつけるのかを考えることが大事だったのではないかと思います。

ところが浜田大臣はその本質的なことは採り上げず、政府の見解を逸脱した論文を部外に発表したことが幕僚長としての適格性に欠けると繰り返すばかりで、早々に罷免し縁切り追い出しの処置をとっただけでした。

しかもその措置は、40年間自衛隊に奉職し最後は空幕長まで勤めた者への処遇とは思えないほど冷淡なものでした。
大臣としては、田母神氏の論文発表のどこがどのように不適切なのかを明らかにするべきであり、もし規律違反があるのならば懲戒処分の審理を行なうべきでしょう。懲戒処分を検討すると審理に時間がかかるから早々に退職させたと弁明していましたが、実に不適切な措置だったと思います。さらに野党から追及されると、退職金の返納まで促すような情けない対応でした。その言動と対応には、25万の自衛隊を率いて国を守るという自覚は感じられませんでした。

戦後のわが国は自虐的歴史観に苛まれ、自らの防衛すらまともに出来ない状態になっています。国土防衛のための核抑止力や戦略兵器をすべてアメリカに頼り、ミサイル防衛すらアメリカの支援がなければも出来ないような状況です。自国の領土である竹島を占領されていても何にも出来ず、英霊を奉る靖国神社の参拝も中国や韓国の顔色を見ながら、今ではほとんどの閣僚が公式参拝を拒否する姿勢をとっています。これでよいと思っている憂国の士は少ないと思います。

そのような環境の中で、わが国の防衛に黙々と正面から取り組んでいるのが自衛隊です。軍隊なのか軍隊ではないのか、曖昧な状態に置かれて日々苦労しながら任務を果たしている自衛隊の実情をしっかり見極めて、それを本質的に改善する政治的な施策を考え、その先頭に立って、問題点の解決に挑戦するのが防衛大臣の使命だと思います。

防衛大臣のあり方については、一昨年(07年)夏ごろ、久間大臣や小池大臣の辞任、あるいは中谷大臣、石破大臣による安部総理に対する批判行動などの折に、このコラムにも何度か書かせてもらいましたが、防衛大臣には他の大臣とは違う「陸海空の三自衛隊の指揮官」としての職責があることをしっかりと自覚しなければなりません。しかも部下たちへの責任は、職を辞した後も負わなければならないものです。それが指揮官の定めであり、指揮官とは終生、かつて指揮した部下と組織に対して責任を負うものです。

うわついた世論に迎合せず、軽薄なメディアの扇動に踊らされず、目先の政治に翻弄されず、また大陸からの教唆に惑わされず、国を守るということはどういうことなのか、軍隊・自衛隊を指揮するとはどういうことなのか、その本質をしっかり理解し、国と国民を守る最後の砦を預かっているとの自覚を持たなければなりません。
それが防衛大臣のあるべき姿ではないでしょうか。今年は防衛計画大綱の改定や防衛省改革が行なわれる年ですが、是非そのような視点から本質的な施策が生まれることを期待しています。     (09・1・1記)

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